スイスにいらしたお客様 第二回

7月、スイス市場のリサーチにいらっしゃいました京都伏見の酒蔵「月桂冠」の葛西正昭専務取締役、野田幸雅貿易部長、星野康平エリアマネージャー、Ayako Minato Taborskyコーディネーターの皆様からお話を伺いました。

月桂冠」は現在、日本酒に馴染みのない外国人に、日本酒との幸せな出会いを演出することを意識して販売されているそうで、2015年秋にはスイスでの試飲会を計画中だそうです。
海外在住の日本人にとっても大変ありがたいことですね。

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「月桂冠」の会社について教えてください

1637年(寛永14年)、徳川三代将軍・家光の時代に京都の伏見で創業しました。1961年には日本初の四季醸造システムを備えた酒蔵を新築、1984年には業界初の常温で流通可能な「生酒」を発売、2008年には日本酒で初めて「糖質ゼロ」の商品を発売するなど、革新性や創造性をもってチャレンジしながら、伝統的なお酒、品質の高い商品をお届けしています。

日本酒を買うとき、どれを選んだらいいのか困るのですが

吟醸酒、純米酒、本醸造酒、などの大きな違いは作り方です。どんなお米を、どうやって磨いて、何を添加するか、あるいはしないかで変わってきます。味は、吟醸酒、純米酒、本醸造酒とそれぞれに特徴がありますが、銘柄によってまた特徴や違いが出てくるので奥が深いです。
価格はというと、以前は「特級」や「一級」があり、それに当てはまる税率がありました。税率が違い、それが価格に反映されていたため、お客様は価格を目安に買うことができました。「今日はお祝いがあるから一級にしよう」といった具合です。それが、20年以上前に酒税上の級別が廃止されたので、どんなに高いお酒でもお手頃なお酒でも酒税は一律になりました。そこで、大吟醸は手をかけて作っているので高いはずなのに、銘柄によっては普通のお酒より安い大吟醸が販売されるようになり、このあたりから消費者の方が何を基準に選んだらいいのか混乱されるようになったと思います。
味や特徴などラベルに書ききれないことがたくさんあるので、どんな情報が求められているかを把握して的確な説明文を添えたり、店頭などで直接ご説明したりしていきたいですね。(葛西専務)

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参考:月桂冠ホームページ「醸す技を知る」
http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/brew/index.html

スイスで日本酒を飲むということ

スイス人の方には、どういうお酒だと美味しいと感じてもらえるのでしょうか。日本酒の味の違いや飲み方、使う器などについて、どうやって日本酒を知っていただくか、どうやって和食だけでなく洋食とも楽しんでいただけるかを検討しているところです。
美味しい日本酒を味わっていただくには、日本でも海外でも、管理の仕方に気をつけることが肝心です。日本酒は条件によって品質が早く変わり、特に生暖かい所や日の当たる所では劣化が進みますから、ワインがセラーで管理されているように日本酒もいい状態で販売・管理することが大切なのです。劣化してくると「老香」と書いて「ヒネカ」と読むのですが、臭いが出てきて、お酒が黄色くなります。いい状態で「ひね」させたら、茶色い、いい香りのする古酒になるので、管理の仕方が非常に大切なのです。ですから、海外でも日本でも私たちは品質の管理は慎重に行っています。(葛西専務)
このあたりは、月桂冠だからこそできること、かもしれません。ドイツやフランス、イタリアにそれぞれ現地コーディネーターがいるので、まめに売り場を見て埃がかぶっていないかチェックしたり、賞味期限が切れている商品があれば新しい商品と入れ替えたりすることができます。また、現地のパートナーと協力して、管理された商品を、きちんとしたお店で、きちんとした方に発信してもらうよう取り組んでいます。(野田部長)

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京都にある「月桂冠大倉記念館」について

京都にある伏見城の外堀・濠川沿いに「月桂冠大倉記念館」があり、伏見の酒造りと日本酒の歴史を紹介しています。きき酒処では複数の日本酒をお試しいただけますし、冬場ですと記念館近くの酒蔵を改装したレストラン「月の蔵人」で「酒粕フォンデュ」をお楽しみいただけます。京都にいらしたときは、ぜひ月桂冠大倉記念館に足をお運びください。秋に計画している試飲会については、詳細が決まり次第、お知らせさせていただきたいと思います。(野田部長)

参考:月桂冠ホームページ「月桂冠大倉記念館」
http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/index.html

–JCZ–
この度は、貴重なお時間をいただき本当にありがとうございました。
益々のご活躍とご発展をお祈り申し上げます。
品質のいい日本酒が世界のどこででも手に入るように、国を問わず日本酒を楽しめるように、という思いが伝わってきました。和食が無形文化遺産に登録された今、日本酒の存在もさらに重要になってきたように感じますので、これからがとても楽しみです。