《体内時計講演会・感想文》

2月22日、チューリッヒ大学薬理学・毒 性学研究所、博士研究員 佐藤美穂さんによ る講演を聞きにチューリッヒにやってき た。チューリッヒ駅からトラムで約20分、 停留所から長い美しい歩道を進むと人工池 が目の前に広がって、その奥の段々になっ た高台を登っていくと、一番奥、チュー リッヒの果てかと思うような漆黒の森の 手前にその建物はあった。 会場に入るとまず初めに「二十四時間 戦えますか」というプロジェクターの画 面が目に飛び込んできた。このCMが 出た1980年代終盤は、まだまだ“企業 戦士”という言葉に対する情熱も矜持も 残っていた。過労死の問題・リストラ・ 人件費削減で悲鳴を上げる社会になっ た現在、このコピーが「日本が元気だっ た時代」を思い出させ、ノスタルジック な気持ちにさえなった。
佐藤美穂先生の講演が始まった。題名は 「体内時刻の乱れを減らすための工夫」 だ。人間の身体は、約24時間の体内時計= 概日時計という仕組みが体内時刻を刻んで いるというテーマは、概日リズムを生み出 す遺伝子とそのメカニズムを発見した Jeffrey C. Hall博士とMichael Rosbash博 士、Michael W. Young博士という3人の米国の研究者が2017年のノーベル医学・生理 学賞を受賞し、今まさに注目されている。 植物から始まった歴代の研究者による概 日時計の研究から、現在までの流れをわか りやすく順を追ってご説明いただいた。そ の後、外部の条件を遮断してのヒトの概日 リズムを探る実験から、ショウジョウバ エ、マウスに至る実験による時計遺伝子の 発見や、時計遺伝子が細胞単位で時を刻むことも分かった。概日リズムは概日時計に よって生み出され、概日時計は時計遺伝子 を要素として時を刻み、生理現象に直接か かわる機能物質の量的・質的変化を生み出 す。各細胞の概日時計は脳の中でも自律機 能の中枢である視床下部の視交叉上核に存 在する中枢時計が、神経やホルモンをコン トロールすることで、体全体の統制を司る という説明があった。その他、メラトニンは眠りを促すホルモンであり、血中などか ら測定できること、睡眠障害の治療法の話 などにも触れた。
また、体内時刻の乱れは疾患リスクにつ ながるといい、肥満、糖尿病、高血圧、う つ病、がん(特に乳がん)海外旅行やシフト ワーク他、食事やストレスも体内時刻に影 響する他、日光や屋内照度、ブルーライト などもそれぞれ、また違った影響を与えることも分かった。概日リズムは概日時計に よって生み出され、概日時計は時計遺伝子 を要素として時を刻み、生理現象に直接か かわる機能物質の量的・質的変化を生み出 す。各細胞の概日時計は脳の中でも自律機 能の中枢である視床下部の視交叉上核に存 在する中枢時計が、神経やホルモンをコン トロールすることで、体全体の統制を司る という説明があった。その他、メラトニンということだ。
この講演から、生活・睡眠のリズムや 食事を見直すこと、日光浴、ブルーライ トを避けるといったことが大切だとわ かった。資料も丁寧にまとめられ 、 『環境に調節される』(影響)、『同調』 (安定)という言い方も研究用語的で新 鮮だった。
結果的には、24時間戦うのは無理、 からだにすごく悪いということに納得。 佐藤美穂先生ありがとうございました。
研究とは膨大な時間をかけた地味な作業を 地道にコツコツと積み重ねていくことなの だなと、しみじみ感じました。素晴らしい 講演の後には、楽しくておいしいティータ イムまでご用意いただき、また、ベルン日 本人会会員もご招待いただき、ありがとう ございました。知的好奇心を大いに刺激さ れました。次の企画も楽しみにおります。 (N.M.)